特殊部隊

masatomo-s2008-02-23


以前、アンディ・マクナブというイギリスの作家が書いた『SAS戦闘員』という本を読みました。この作家はかつてSASに所属していて、この作品を始め、この人の小説にはこの経験が活かされています。SASとは英国陸軍特殊空挺部隊、Special Air Servicesのことで、世界の軍隊の特殊部隊の手本とされています。入隊志願者選抜課程のくだりなんか読んでみますと、いやはや人間の所業ではありませんね、この過酷さ。


世界には映画などを通じて知られる特殊部隊が数々あります。米軍のデルタ・フォース、グリーン・ベレー、シールズなどは非常に有名で、ロシアにはスペツナズがあります。もっとも、このスペツナズという言葉自体がロシア語で特殊部隊という意味なので、例えば特殊部隊デルタ・フォースのような使い方は出来ないようです。これらの国々だけでなく、もちろん他の国の軍隊に特殊部隊がありますし、軍隊だけではなく、警察、省庁、その他治安部隊にも特殊部隊があります。


日本では、数年前に特殊作戦群という名前の特殊部隊が出来ました。去年出来た中央即応集団という防衛大臣直轄の「団」の隷下部隊です。担う任務柄、秘密のヴェールに包まれている部隊ですが、レンジャー徽章を持つ隊員、第1空挺団出身者、西部方面普通科連隊より派された隊員といった、陸自の中でも最高の練度を誇る人たちの中でも更に選り抜きの隊員で構成されているようです。


マクナブ氏の本によれば、SASの人間は1人で1個連隊(あれ、1個師団だったかな……)と戦える能力を有するとありました。『北斗の拳』でレッドベレーの大佐という役回りの悪役が「俺たちは1人でゲリラ500人と戦えるのだ」とケンシロウを脅していた場面があったような記憶がありますが、あれは誇張ではあっても虚構ではないのではないでしょうか。。。


そういえば、名作マンガの『マスターキートン』のキートン・平賀氏はSAS出身でしたね。マンガでも小説でも映画でも、特殊部隊出身の人々が華々しく活躍していることが多々あります。1人に何役もさせて活躍させるのに強い男を持ってきたい場合、こういった特殊部隊出身者を設定すると書きやすいということもあるでしょうけど、作者の強い憧れもあるんじゃないかな、と思ったりします。もちろん、余り知られていないそういう組織の内情や技能を書くという楽しみもあるのでしょうし。私はマスター・キートン、非常に楽しく読ませていただきました。


私にも、強い男たちへの憧れがあります。