ショスタコーヴィチのシンフォニーは第11番が最高です!

この旧ソ連最大にして20世紀を代表する作曲家の数ある曲の中で最も好きなのが交響曲第11番 ト短調《1905年》です。この人のシンフォニーで最も有名かつ人気のあるのは第5番《革命》でしょうし、よく演奏されるのは第7番《レニングラード》、第8番、第10番でしょうが、僕は断然第11番です。



何かこの、あの時代の雰囲気とロシアという土地が最も強く感じられるのがこの曲なんじゃないかなと思ったりして、それこそCDに穴が空くほど、iPod の調子が悪くなるほど聴きました。一度は東京都交響楽団の演奏を聴きに行ったりして思いを新たにしたものです。


とはいえ、《1905年》とは1905年1月9日に起こったペテルブルグ宮殿での『血の日曜日』事件をテーマにしたシンフォニー。ロマノフ王朝に請願にきた民衆に発砲して1000人以上を射殺した事件を描いた交響詩的な作品です。各楽章に標題がついていて「第1楽章:Adagio;『宮殿広場』」「第2楽章:Allegro;『1月9日』」「第3楽章:Adagio;『永遠の追憶』」「第4楽章:Allegro non troppo『警鐘』」となっています。


ところで、この曲を振らせたら……というより、ショスタコーヴィチを振らせたら右に出る者はいないと言われる指揮者ムラヴィンスキーの演奏がとてもいいです! 今まで、アンドレ・クリュイタンス/パリ管弦楽団エリアフ・インバル/ウィーン交響楽団(あれ、違ったかな。。。)などを聴いてみましたが、やはりエフゲニー・ムラヴィンスキーが、50年間しごきにしごいたレニングラードフィルハーモニー管弦楽団と演奏したものが一番よかったように思います。ショスタコーヴィチムラヴィンスキーは親交がありましたし、彼の曲の初演の多くはムラヴィンスキーが行ったりしています。





このムラヴィンスキーレニングラードフィルハーモニー管弦楽団にまさに《君臨していた》そうです。極めて厳しいリハーサルは伝説的と言われていて、最も演奏回数の多いショスタコーヴィチチャイコフスキーでさえ10回も通し練習をやって団員をくたくたにさせるのだとか。どんなに完璧に演奏しても彼は納得しなかったらしいのですが、団員たちから嫌われるかと思いきや、大変な尊敬を浴びていたそうです。ある女性団員の回想です。


ムラヴィンスキー演奏家としてのわたしの人生に大きな影響を与えた人です。最初レニングラード・フィルに入団した時点では、ただ他人よりうまくヴァイオリンを弾けるというだけの人間でした。しかし、ムラヴィンスキーの指揮の下で演奏できたことにより、初めて本物の音楽家になれたように思えます」


あ、ショスタコーヴィチに戻りますが、この作曲家も大変な尊敬を集めていて、現在はサンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団と名を改めたオーケストラには彼の名前がつけられています。


ЗАСЛУЖЕННЫЙ КОЛЛЕКТИВ РОССИИ АКАДЕМИЧЕСКИЙ СИМФОНИЧЕСКИЙ ОРКЕСТР САНКТ-ПЕТЕРБУРГСКОЙ ФИЛАРМОНИИ им. Д. Д. ШОСТАКОВИЧА


太字の部分です。
このロシア語、サンクトペテルブルクフィルハーモニー交響楽団の正式名称ですが、そのまま読みますと『ガスダールストヴェンヌイ・カレクティフ・ラシィ・アカデミツェスキー・シンフォニチェスキー・オルケストル・サンクト-ペチェールブルグスコイ・フィルハルモニー・イム・ディ・ディ・ショスタコーヴィチァ』となります。最後の『им』からですと『イメーニ・ディミトリー・ディミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチァ』(ドミトリー・D・ショスタコーヴィチを記念した〜)という意味です。


あ! いかんいかん。
マニアックになってきましたね。。。
失礼しました。


ショスタコーヴィチのシンフォニーは第11番。
指揮者はエフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラードフィルハーモニー管弦楽団


こんなところでどうでしょうか?