【旅行記】Vol. 26 プラハ 6

 プラハ3日目。日付は3月7日です。
 今日こそはプラハ城内の散策です。プラハ城は世界最大の城の1つと言われ、9世紀に遡るその古さは世界一と言われています。ボヘミア国王や神聖ローマ皇帝の住まいだったのですが、今では大統領府が置かれています。ゴシック様式聖ヴィート大聖堂、ロマネスク様式の聖イジー教会のバシリカ修道院、宮殿、庭園、尖塔が含まれており、先の1,000年間のあらゆる建築様式の博物館のようです。城内の大部分は観光客に開かれていて、現在、城の建物には国立美術館ボヘミアバロック部門、国立美術館ヨーロッパ絵画・中世部門、チェコの歴史について展示する国立歴史博物館、おもちゃ博物館、ルドルフ2世の収蔵品をもとにしたプラハ城絵画美術館といったいくつかの博物館が存在するそうです。
 
 
 聖ヴィート大聖堂に入ってみましたが、もの凄くややこしい模様やら彫像やらが彫りつけてあります。建物そのものが地面から削り出された岩を彫塑して創ったような大伽藍です。かのゲーテは、このような伽藍を見て《建築とは凝固した音楽である》と言ったのでしょうか。
 


 特に聖ヴァーツラフ礼拝堂は圧巻の一言。不信心な東洋の一学生にとって、キリスト教の教会は建築物としてすごい、としか言えませんが、建造物が我々を圧倒し、驚かせます。圧倒された後は小径と呼ばれるお城の裏の散策道です。当時は鍛冶屋とか何とか、いろいろと城の人間御用達の職人たちが住んでいたようですが、今はたいていお土産物屋に様変わりです。その中にうっすら青く塗られた建物があります。フランツ・カフカが身を寄せていた妹の家です。往時のままか後世つけたのか、カフカの表札がかかっています。




  
 
 地上に降りて、今度はバスのチケット購入です。町自体が世界遺産に登録されているチェスキー・クルムロフに行くためです。ここは鉄道よりバスの方がアクセスが簡単だということですので、さっそくフローレンス・バスターミナルに行ってチケットを買います。ここがまたごちゃごちゃしていてすごい人混みでチケット売場まで行くのが大変でした。窓口では言葉が通じないので、あらかじめ行き先と乗りたい時間と人数を書いておいた紙を渡します。係りの人はおばあさんでした。しかし、この人の手際のよいことときたら感心すること仕切りです。希望する時間にチェスキー・クルムロフまで直通はないから、一度チェスケー・ヴディヨヴィツェで降りて、そこからクルムロフ行きのバスに乗ればいい、と教えてくれました。我々は分かりましたと言い、えらく安かった指定席チケットを買って帰りました。
 
 
 明日はいよいよプラハを離れるのですから、プラハに乾杯しに行かないといけません。まあ、毎日飲んでいるわけですが、今宵は格別です。場所は例によってあの緑のテントのレストランです。もう3日も通ったので青年店員は顔見知り。またしても大いに盛り上がりました。