【旅行記】Vol. 22 プラハ2

 旧市街広場はプラハ観光の目玉の一つです。それが歩いて数分というのはまことにありがたいと言うほかありません。ここは世界で最も美しい広場のトップ10に入るそうです。



鳥取駅前の風紋広場はどうですかな?」
「論外ですな。トップ10どころか鳥取市民以外は誰も知りませんな」
 という具合で、どうも故郷鳥取の話となると不毛に終わってしまうのです。
 

 ボヘミア出身の宗教思想家にして宗教改革ヤン・フスの重厚な銅像が見守る旧共和国広場ですが、まず第一に見に行かなければならないのが旧市庁舎の天文時計です。この時計は2連になっていて、上が普通の文字盤、下が星の時計です。毎正時になると賑やかな飾りが出てきて人形が踊ります。それを見るためにまだ朝の9時なのに観光客が大勢集まってきます。この天文時計、職人たちが余りにも見事な作品に仕上げたので、時の君主が二度と同じものを作らないように彼らの目を潰したと言います(真偽の程は定かじゃありませんが)。

 

 
 カレル橋もプラハ観光のメッカとして必ず旅人たちが足を運びます。現存するヨーロッパ最古の石橋で、この橋の市街地側の入り口から眺めるプラハ城は絵葉書にもなる美しさで。プラハを紹介する特集なんかでご覧になった方もおられるでしょう。スメタナで有名なヴルタヴァ川(モルダウ川)の悠々とした流れの向こうに見える城は豪華客船のようです。この橋は、欄干に沿って両側に彫像がたっています。確か48体だったようですが、その中には日本人を彫ったものもあるそうです。見に行ったのですがどうも日本人ではないようです。ちょんまげなら分かりますが、辮髪の日本人なんて聞いたことがありません。

 
  

 
 ミロス・フォアマン監督の映画『アマデウス』はここプラハでロケされたそうですが、いちいちセットを組む必要がなかったといいます。プラハ城に向かう途中に『三羽のガチョウ』という意味の名前のホテルを始めとする宿が立ち並ぶ界隈があります。この辺りは特に味のある界隈で、アマデウスにもそっくり出てくるいい雰囲気のエリアです。石畳の道路、石造りの渋い家屋、オレンジ色の屋根。まさにあの映画の世界そのまま。あ、余談ながら『三羽のガチョウ』ホテルはプラハでも有数の高級ホテルで、我々こわっぱなど近寄らせもしません。


 いよいよプラハ城です。見事な色彩の城です。太陽の光の色まで計算して外壁の色を決めたのではないでしょうか。今は大統領府などがありますが、多くの施設を観光客に開放しています。毎正時には衛兵の交代式があります。こういう式は《ショー》みたいになっていて、見事な統制、体の線、タイミングです。大勢の人が集まって、見物しています。かつてはモスクワの《赤の広場》のレーニン廟で世界一すごいと言われた交代式をやっていましたが、僕がいた間、見かけたことはありません……今(2,008年)ではどうなんでしょう。。。


で、その交代式ですが、僕らみたいな東洋の小人は他の観光客の壁に阻まれて見ることが出来ません。次に生まれてきたら器械体操部ではなくバスケットボール部に入ることにしましょう。モテそうだし。でも多分、次に生まれても球技、苦手なんだろうな……


※この画像はT氏が別の日の早朝に訪れて撮影したものです。