『クラシック アホラシー』(神沼遼太郎著/幻冬舎ルネッサンス刊)という本

昨日、腕時計の修理を待っている間、東急百貨店・吉祥寺の紀伊国屋書店に入ったのが間違いのもとでした。その日は既に六本木のあおい書店で、前々から欲しかった『最新 天文小辞典』を買ってしまい充分散財してたのに、吉祥寺まで戻ってきて新たに散財のネタに出くわした、というわけです。東急の書店には僕の好きな科学系の本はないようなので、手持無沙汰でうろうろしていると行き当たったのが音楽の書籍コーナー。


N響の歴史やらチェロ奏者の自伝などが並ぶ中、目に付いたのがこの本です。時計の修理が上がるまで10分なので、どんなことが書いてあるのか立ち読みしようと思ったらこれが笑える内容で、5、6ページ読んで購入。昨日の夜に一気に読んでみました。時たま出てくる関西弁が軽妙ですが、いやあ、身につまされることも多く、笑ったり考え込んだりして読み続けました。



いろいろと面白い内容が書いてあって楽しいのですが、その中でも白眉はウィーン・フィルの迷走についての章。ベーム亡き後のウィーン・フィルが指揮者を変えながら、ベームの“後継者”を探す旅に出た、で始まる1章は考えずにはおれない内容で、マゼールアバド、ラトル、シノーポリショルティ、小澤、レヴァインなど、錚々たる顔ぶれの指揮者を登場させつつ、ウィーン・フィルが経験する“失われた10年”を浮き彫りにしています。その中で、僕がひそかに好きなサヴァリッシュの名前が出てきたのは嬉しかったですねえ(4/3の記事をご参照ください)。そして、アーノンクールが出てくる辺りは秀逸……というより爆笑です。



著者が推す指揮者……つまりウィーン・フィルらしさを出して演奏する指揮者……がフランツ・ウェルザー=メスト。なるほど。。。この人のCD、よく店頭でも見かけるので何枚か聴いてみることにしましょう。



クラシックがなんぼのもんじゃい!……と思ってる方々、そうは思わない方々、是非ご一読を。
笑えますし、考えさせられます。


今日は雨ですねえ。。。